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Memoria de los libros preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります
星の数は気分なのであてになりません
中山可穂『サイゴン・タンゴ・カフェ』  ★★★☆
中山 可穂
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 660
(2010-01-23)

インドシナ半島の片隅の吹きだまりのような廃墟のような一画にそのカフェはあった。主人はタンゴに取り憑かれた国籍も年齢も不詳の老嬢。しかし彼女の正体は、もう20年も前に失踪して行方知れずとなった伝説の作家・津田穂波だった。南国のスコールの下、彼女の重い口から、長い長い恋の話が語られる…。東京、ブエノスアイレス、サイゴン。ラテンの光と哀愁に満ちた、神秘と狂熱の恋愛小説集。(Amazon)

 いつもの長編とは毛色の違う短編集だったけど、中山さんが好きな要素はあちこちに詰まっていたかな。メインはタンゴでたまにサイゴン(笑)最後の二編になってようやくサイゴンへ! 「バンドネオンを弾く女」は8月に遊びに行ったホーチミンが舞台だったので懐かしくて面白かった。バイクタクシーで市街から空港まで連れてってもらったな。
「フーガと神秘」、フェミニズム運動に片足突っ込んでた女(就労中)が夫に対して「仕事にも理解を示して、家事も率先的に手伝ってくれる」「仕事にかまけて夫をさびしくさせてきたという負い目」なんて言うかしら。そんなもんなのかしら。中山さん自身はフェミじゃないと思うけど。
 ラストに配置された表題作の作家と編集者の話を読ませたあと、あんな後書きを持ってくるもんだから思わず泣いたじゃないかw 彼女の作家と編集者の話を読むのは二度目だが、恋愛同様生きるか死ぬかの関係なのね(本書の方は元々恋愛色が強いけれど)。私自身はブエノスアイレスにそんなに惹かれなかったので、ベトナムネタの方が親身に読んだ。一番好きなのはやっぱりトルコネタかなw
 老いや介護や看取りといった、特に女性同士の恋愛小説では避けられがち(ってのは読んだことのほとんどない百合イメージが強いだけだろうか)な要素は、ある程度お年を召した(失礼)生粋恋愛体質の中山さんだからこそかなと、表題作読み終えて思った。正直最後のインパクトが強くて他がかすんでますね!
| 恋愛小説 | 20:16 | comments(0) | trackbacks(0) |
仁川高丸『微熱狼少女』  ★★★★
仁川 高丸
集英社
---
(1992-02-05)

女子高生・藤乃。赤みがかった髪を狼カットにしている。彼女にはゲイの父親と、暴力的な恋人・誠がいた。そんな藤乃に接近してくる社会科の非常勤講師・三島麻純(♀)23歳。三島は自らがレズビアンであることを公表している。揺れ動く藤乃の心の中で、次第に三島の存在が大きくなって…。女子高生と女教師の奇妙で熱い愛の光景を、確かな筆致とみずみずしい感性で描く衝撃作。

 これはいいね! この人はキス描写がとてもうまい! 最高にいいキス描写ですね! その後の愛撫描写もとてもよかった、けどやっぱりキス描写が一番いいね! キスはいいね! 素晴らしい! 一冊丸ごとキスばっかりしてる本を出してほしいくらいですよ!
 『文月に〜』と同じく高校生少女が主人公でヤングアダルトっぽさが漂ってる。特に物語前半、1992年の思春期真っ盛りな女子高生が同性愛に対してああいう態度を取るのはまあ打倒なのかなっていう気はするけど、薄汚いゲイ呼ばわりっつーのは読んでてちときついな。1997年に執筆された『文月に〜』より本書の方が新しく見える。時代性を表し過ぎてしまうIT機器は小道具として用いない方が無難だね(笑)しばらく古びないでいられそう。狼少女の藤乃が三島と付き合ってるうちに丸く広くなって、同性愛を変態という言葉に置換するのをやめられるようになるといいね。
 み、三島って23歳か……23歳か……教師と生徒だから10くらい年離れてると勝手に思っていたけど23歳か……。
 中山可穂はジャンル:人妻略奪愛だからもちろんw、1990年代に登場した仁川高丸もヘテロ色がかなり強いんだけど、1986年に松浦理英子が『ナチュラル・ウーマン』を書いたってのはなかなかすごいな。森奈津子まで来ると完全に吹っ切れて気持ちいい。本書が紹介文で「衝撃作」って称されてるのはやっぱりレズビアン小説だからよね? 当時はそうかもしれないけど、今なら別段衝撃作とは呼ばれないであろうよと思うと嬉しい。
| 恋愛小説 | 00:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
仁川高丸『文月に不実の花咲く』  ★☆
落としてしまったイヤリングがかえってくる夢を見た頃、やってきた転校生・良平(アキラ)。詰襟の学生服に太い眉と大きな目。良平は女の子だった。女同士の良平とあたし…。多感な世代のセクシュアリティの揺らめきを描きだす。女同士、これは友情か恋か。“女の子なのにあたしを好きだって言った”甘くてせつなくてビタミンたっぷり。(Amazon)

 小説としての出来不出来ではなく、単純に主要カップルの二人が好みではなかった。
 小説すばるに連載されていたとのことだけど、とてもヤングアダルトっぽい。ヤングアダルトで育った中学生時代の血がふつふつとわき出てきたよ(笑)懐かしいなあ。カテゴリ分けなんて勝手なものだけど、両親との関係や受験ネタとか(本で読むことが)本当に懐かしい。
  自分の萌えポイントにトランスジェンダー(それとも異性装?)がない、ということをこの本で自覚した。な、ない。性転換って女体・男体化とは全く違うからな。でもあとがきで言及されているセーラームーンの天王はるか(良平のモデルだそうで)には萌えてる。単純に良平が好みじゃないだけではと思わずでもないが、何だろう。ラストのキスシーンはとてもよかったです。
| 恋愛小説 | 21:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
中山可穂『サグラダ・ファミリア』  ★★★
人を愛することを拒絶する孤独なピアニスト、石狩響子が初めて恋をした。相手はフリーのルポライター、成島透子。透子は子供を産むことを提案し家庭的な愛を求めるが、響子は拒み二人は別れる。二年後、響子の前に現われた透子は赤ん坊の桐人を連れていた。子供嫌いのピアニストと子持ちのルポライターの共同生活が始まるかと思われたが、透子は突然の交通事故で亡くなる。残された桐人を抱きしめ絶望に沈む響子のもとに、桐人の父親の恋人と名乗る若い男が現れた―。(Amazon)

 この題名見たときからうっすらそんな予感はしていたが……照ちゃんが登場した瞬間確信に変わったが……中山可穂がこういうオチをつけてくるとはな! 意外だったよ! そして私は彼女にこの手の話を求めてはいなかったかも(笑)
 主要登場人物の一人が早々と退場して、この残りの尺で燃え盛るような恋愛に突入はできないよね聖家族だしね、と思っていたら割と律儀に安定へと進みましたな。いいのかいそれで? と尋ねたくなりますな。いくら愛したパートナー同士の子供とはいえ。意外だな。家庭というものがいかに自分にとって安定というイメージを持っているかが分かった。安定を壊す、家庭を捨てる、その行為はものすごくドラマティックに見える。あの家族が平和に暮らしていけるといいけどw
 中山さんはとてもドラマティックに(過ぎる部分もある)恋愛小説を書く人だよなあ。でもそうよね、ひたすら死へまっしぐらみたいな話ばかりじゃ、書き手も読み手もぐったりだね。死は常にあるけどね。
「人妻じゃなかったー!」→「人妻じゃないけど……」→「人妻になったー!」というのが端的な感想ですね。笑
| 恋愛小説 | 19:47 | comments(0) | trackbacks(0) |
中山可穂『天使の骨』  ★★★
ぼろぼろの守護天使たちがわたしにつきまとう…。人生のすべてをかけた劇団を失い、世捨て人のように暮らす劇作家ミチル。絶望の果てに、彼女は天使の幻覚を見るようになる。この天使たちを葬るために―。イスタンブールからリスボンへ、そしてパリへ。ヨーロッパを彷徨うミチル。再生の光は果たして見つかるのか?魂の巡礼を鮮烈に描く青春小説の傑作。第6回朝日新人文学賞受賞作品。(Amazon)

『猫背の王子』続編。……これ、結局続きはあるの? ないよね? あとがき通りもしかしたら書くかもしれない、って感じなの? トオルとミチルの決着はつけてほしいようなそうでないような。この二人、BLですよね。稀に見る理想的な男女BLだわ。一冊の本としては、私が求めているドラマティックな盛り上がりに欠けていたかな。続編だからしゃあないんだけどね。
 マラケシュ心中に続いて旅に出たくなる話でした。トルコで相当いい想いをしたに違いない。私もそんな旅行者の一人だからとてもよく分かります。
 帰国してショーコちゃんとトオルと芝居をやり直す、なんて都合のいい結末が実際に書かれたら気に食わないのかもしれないけど、生粋のハッピーエンド主義者としては夢見てしまいますねえ。
| 恋愛小説 | 00:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
中山可穂『猫背の王子』  ★★★★☆
自分とセックスしている夢を見て、目が覚めた―。女から女へと渡り歩く淫蕩なレズビアンにして、芝居に全生命を賭ける演出家・王寺ミチル。彼女が主宰する小劇団は熱狂的なファンに支えられていた。だが、信頼していた仲間の裏切りがミチルからすべてを奪っていく。そして、最後の公演の幕が上がった…。スキャンダラスで切ない青春恋愛小説の傑作。俊英の幻のデビュー作、ついに文庫化。(Amazon)

 この人はデビュー作から心身削るような話ばっか書いてるのねえ……デビュー作に全てがつまっている、んだから逆なんだけど。やっぱり一気読みするきかなくて、疲れちゃったよ。
 長篇を読む度にくたくたになって、中山可穂という作家のイメージが読み終えたばかりの本の二人に塗り直されるんだけど、今回はその片割れが男性だった点がいつもと違った。こりゃ由紀さんじゃない、トオルだよ……ミチルとトオルの物語だ、BLだ……娼婦の件なんてもうたまんない。
 この小説の学生芝居ネタにやられてしまったのは、私は縁もゆかりもなかったけど、彼女が過ごしたのと同じ大学にいてそんな空気の一端をかぎとっていたからだと思う。早稲田としか思えない大学描写を読むと、あそこに通ってよかったなーと思う。
| 恋愛小説 | 00:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
中山可穂『感情教育』  ★★★★☆
これ1作でわたしは年老いた――(文庫版あとがきより)

女と女。胸に突き刺さるような至高の愛。
中山可穂の最高傑作!

前世から契りあった恋人はあなたですか?今度こそ永遠に契りあうために、あなたはそこで待っていてくれたのですか?
那智と理緒。傷つくことにすら無器用な2人が出会ったとき、魂がふるえ、存在の根源をゆさぶる至高の恋が燃えあがる。同性同士の愛の極北を描く、山本周五郎賞受賞作家による傑作長篇!(Amazon)

 最初からネタバレになってしまうけれど恋愛ものはそこに触れずには書けないところがあるので失礼。
 よかったねー!笑 私は主要登場人物によかったねえと言うのを歓びとして読書をしてるんじゃないかとたまに思うわ。よかったねと思えれば途中に何があっても目をつぶれるし、幸せな気持ちで本を閉じることができる。長編については特にそうだ。長々(ってほどでもないが本書は)読んだ後に絶望に叩き落されるのも幸せだけど、やはり恋愛小説の類は入り込めば入り込むほど彼らのハッピーな結末が見たいよ。いつもの通り人妻略奪愛で二人も夫もボロボロになっていたけれど、その割には望むべく最善のかたちで終わったのでよかった。
 一章で那智の、二章で理緒の生まれ育ちを描き、三章で二人を描く。中山さんの三人称は初めてだったけど、一人称より文章がうまく見えるなw 私の思い込みか。前半も十分壮絶だったが三章のようやく出会った! 恋愛始まった! というクライマックス感が素晴らしかったので印象薄れた。
 恋愛小説はハッピーエンドが見たいし、ミステリは主題となる仕掛けがきちんと解き明かされるのを見たいし、エンタメは広げた風呂敷を広げっ放しにするにせよ畳みきるにせよラストでは十分な盛り上がりが見たいという、非常に単純な読者である。短編はまた別。
 中山可穂は短編から入ったけど、長編の方がぐいぐい振り回してくれて好きだなー。乗り越えるべき障害が分かりやすすぎる(既婚者)という難点はあるが、それを抜いても。ケッヘルあたりはまた違うんだろうか。違う長編を読むたびに「この二人が一番好きだ!」と思わせる手腕はすごい。
 ただ、この本は疑似父息子の短編といい「女のようなヒステリー」などのミソジニックな物言いが引っ掛かるな。面白いだけに残念だ。彼女の生まれた時代を考えたら仕方ないことなのかもしれんが。私の中で、レズビアンとフェミニストがかなり近い位置にいるのがいけないんだろう。レズビアンもフェミニストもレズビアンでフェミニストな人もいるのに。
| 恋愛小説 | 20:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
木原音瀬『箱の中』『檻の外』  ★★★★☆
堂野崇文は痴漢と間違われて逮捕されるが、冤罪を訴え最高裁まで争ったため、実刑判決を受けてしまう。入れられた雑居房は、喜多川圭や芝、柿崎、三橋といった殺人や詐欺を犯した癖のある男たちと一緒で、堂野にはとうてい馴染めなかった。そんな中、「自分も冤罪だ」という三橋に堂野は心を開くようになるが…。

別れから六年経ったある日、堂野崇文は、自宅近くの公園で喜多川圭に再会した。喜多川は「ずっと捜していた。一緒に暮らしたい」と告白する。六年前とまったく変わらぬ一途な想いに堂野の心は乱れ、連絡先を教えてしまう。が、すでに堂野には妻も子供もいて…。『箱の中』待望の続編!せつない二人の物語『雨の日』や『なつやすみ』など、大量書き下ろしを収録。(Amazon)

 これ『箱の中』だけだったらシャーロック一期並みの阿鼻叫喚じゃねえかw ということでセットで。私に言えるのはよかったねー! 本当によかったね! おめでとう! 心からおめでとう! もうそれだけです。愛が報われるというのは素晴らしい。
 どこを切ってもよかったね……としみじみするだけで、正直それ以外の感想が出てこない。面白かったです。ひたすら喜多川の幸せを願ってました。箱で髪を撫でられてもだもだする喜多川がかわいすぎた。もう本当によかったね! 二人とも過酷な人生だったけど十五年ほどしっかり寄り添えたので、しかも喜多川が先に逝って、後に取り残されなくて、本当によかったね……(それしかない)。よかったねえ。おいこら幸せな二人を早く見せろと一心不乱に読んでしまったよ。こんなの読み止しではおけないね。量がそんなになくてよかった、分厚い上下巻じゃなくてよかったw
 話もエロもよかったけれど、やはり三点リーダの一つ使いと、『』での台詞処理、これはちょっと見過ごせないわ。私は同人小説でも一般的な原稿用紙の使い方がなされてないと読めない程度には狭量なので、商業小説でこれというのは……でも絶対変えないらしいな。分からんな。小説読まない人ってわけでもなかろうに……と思ったけれど私もウェブで書き始めた当初は当時読んでたウェブ小説の文体に倣ってやっていたので、そういう問題でもないか。デビュー前からってことはデビュー前に書いてた場所でしみついた手癖? 三点リーダ一つだけだと呼吸を急かされてる気がして出てくるたびに集中が削がれる……データでもらって校正してプリントアウトして読みたい……商業小説を読んでいる気分にならないなあ。うーん。自分が過敏なのは分かってるのだが、ものすごくもったいないと思う。
| 恋愛小説 | 21:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
中山可穂『マラケシュ心中』  ★★★★
「恋がいつか必ず終わるものなら、わたしたちは恋人同士になるのはやめましょう。何も契らず、何も約束せず、からだに触れ合わず、それゆえに嫉妬もない、(中略)この世で最も美しい友になりましょう」(本文より)。山本周五郎賞作家が『感情教育』を超えて到達した、戦慄と至福の傑作恋愛長篇。(Amazon)

 ……よ、よかったー! もうだめかと思ってひやひやしたわ! マオ投げっ放しなのはちょっとひどいし、マラケシュの主人公の行動はえええ、ってなったけどまあ良いや! こういうオチに引っ張ってってくれるなら私は大丈夫です! よかったです!
 物語のテンションとしては私がマオ贔屓だったこともあり二章がクライマックスに思えました。二人の逃避行が始まるのか……と信じて疑わずにいました。もう本当にマオのあの後が心配です。中山さんの構想の中では高確率で死んでいるんじゃないのか……。私が読んだのは単行本だったのだけど、文庫版後書きでは「マオを幸せにしてあげられなかったのが心残り」と書かれていたそうで、ほっとしました。作者に気をかけられていたという事実に。
 恋愛部分については何を言ってもネタバレになるな。私はハッピーエンドが大好きなのでうまくまとまってくれさえしたら評価は大分甘くなる傾向にあり、本書はまさにそれである。性描写が他と比べて結構しっかり描いてあった印象。中山さんは与える・与えられる側がはっきりしたカップルを、与える側の視点で描き、「私は抱くのが好きなんだよ」としばしば言わせているので、もっと両方向のやつも読みたいなあと思っていたのだが、段々と解放されていく泉さんを見ながらよし来た! 来た! とガッツポーズでした。ご馳走様でした。もう心中しないでそのまま終わってもよかった。
 ちなみに泉さんの外見イメージは名前繋がりで「主に泣いてます」の泉だったw 言動除けばぴったりではなかろうか。対する絢彦の方は、どんな感じか想像できなかった。少年っぽい掠れた声をしてるらしい、くらいで。首筋にキスを振らせられるということはショートなのか? 描写あったっけ?
 旅の描写、特にモロッコに入ってからのはとても面白くて、「モロッコ人の脳は蠅並みだ」とのくだりには取材中に痛い目に遭ったりしたんだろうかとw 同じイスラム国のトルコと比べているけれど、経済格差やら何やらでまあ、ねえ。トルコのホスピタリティは本当にすごいけどね。とにかく旅に出たくなったので中東情勢が良い方向に落ち着いてくれますようにと願っときます。トルコは儲かってるみたいだね! 夏に行けるもんなら行きたかったよ! あの国の人たちの多く(外で働く男性)はスケベ心はあっても商売魂があんまりない。
| 恋愛小説 | 20:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
松浦理英子『ナチュラル・ウーマン』  ★★★★
評価:
松浦 理英子
河出書房新社
¥ 1,529
(1994-10)

「私はこの小説を書いたことを誇りに思う」。日本文学という手ばなしの母性礼讃の土壌、さらに小さ神礼讃の土壌に、著者が突き出したナチュラル・ウーマンの意味は大きい。80年代に孤立した輝きを放った畸型的傑作。再刊。(Amazon)

 またしんどい恋愛をしているなあ、中山可穂にちょっと似てる。面白かったと言ったらズレがあるので良かったと言います。良かったです。「私」の一人称による短編が三つ。過去へ遡るかたちで並べられているので、最初の話のその後がとても気になる……。
 何が驚いたってこの話、1985年前後に書かれてるのよね。私が生まれる前からこんなレズビアン小説が……あるんでしょうけど、やはり自分の生年というのは一つの大きな目安なので……今読んでもまったく古い感じがないのがすごい。八十年代なんて、一番微妙に時代が出てしまうものなのに……それとも2010年代に入った今、もっともしんどいのは90年代の諸々なのだろうか。本編に関係ないが。
 主人公の外見がまったく想像つかないのは作者の意図なのか私の想像力が足りないのか。蓉子、って名前もまたていを表してるような。全体的に容姿描写は少な目かな
 松浦さんはレズビアンというわけではないのかな。「小説、エッセイとも一貫して、性愛における「性器結合中心主義」への異議を唱え続けている」Wikipedia というのはよく分かった。つーか『犬身』以降本出てないのか! あの話もすごかったですね……レズビアン小説と言えないこともないよね……忘れられない一冊だぜ。あの本読んだときはあまり文章の上手い作家ではないという印象があったけれど、今回はそこまで思いませんでした。
 親指Pには姫野カオルコと同じ匂いを感じる。読もうかな。でも私、二次創作以外のペニスは基本的に好きじゃないんだ。
 松浦さんはフェミ系文献に寄稿してることもあって80年代作品でもミソジニーはあまり感じない。時代的な抑圧は感じるけど。
| 恋愛小説 | 20:49 | comments(0) | trackbacks(0) |