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Memoria de los libros preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります
星の数は気分なのであてになりません
貴志祐介『新世界より』上  ★★★★
子供たちは、大人になるために「呪力」を手に入れなければならない。一見のどかに見える学校で、子供たちは徹底的に管理されていた。いつわりの共同体が隠しているものとは―。何も知らず育った子供たちに、悪夢が襲いかかる。(Amazon)

 くそっ面白いじゃないかー。上巻しか借りてきてないけど、明日下巻借りに行くわ。最近フロイトやユングに触れる小説を立て続けに読んだような気がするけど、年が明けて初めての読書のはず……何だろ。読書のリハビリにはよかったな。SF読みたくて上田さゆり借りたんだけども、あそこまでガチなの読めるか心配してたんだ。下巻と『ヘヴン』と『私の男』倒してから行きます(SFは?)
 ミノシロモドキ登場まではファンタジー色が強いけど、それ以降は一応SFなのでファンタジーだめな人も途中で諦めたりしないように!笑
| SF | 22:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
アンナ・カヴァン『氷』  ★★☆
アンナ・カヴァン
バジリコ
---
(2008-06-04)

異常な寒波のなか、夜道に迷いながら、私は少女の家へと車を走らせた。地球規模の気象変動により、氷が全世界を覆いつくそうとしていた。やがて姿を消した少女を追って、某独裁国家に潜入した私は、要塞のような「高い館」で、絶対的な力で少女を支配する「長官」と対峙するが…。刻々と迫り来る氷の壁、地上に蔓延する抗争と殺戮、絶望的な逃避行。恐ろしくも美しい終末のヴィジョンで読者を魅了し、冷たい熱狂を引き起したアンナ・カヴァンの伝説的名作。(Amazon)

 津原泰水が「完璧な小説」と評していたので読んでいたが、何の予備知識もないまま読み始めたのでさっぱり分からず、巻末の解説を見てようやく、ああこれはサンリオSF文庫の改訂版なのか、すなわちSFなんだなと、小説に向かい合う態度を決めることができた。何のジャンルか分からないと小説を読めないというのは本読みとして貧しいことだろうし、SF・怪奇・ファンタジーあたりの曖昧な境界をあえて定めなければ苦手なファンタジー(ハイは無理にしろ)も読めそうなもんだけれど、SFだって安心させてもらわないとこの手の小説はしんどい。
 うむ……わからんかった!笑 や、すごいってのはそうなんだけど、何をもって完璧と言わしめているのかが素養のない私にはピンとこず……。カヴァン本人もジャンルを意識せずに書いていたらしいけど、終末SFです。終末SF+少女(しかし少女は20歳オーバーと思われる)。「氷」が全世界を覆い尽くして終末へまっしぐら、人間たちはなす術もなく右往左往という舞台設定の中、メイン登場人物は「私」「少女」「長官」の三人。「私」はひたすら銀髪の少女を追いかけていくんだけど、前半部ではエクスキューズなしに妄想が入り混じるので混乱します(笑) 後半はそれが減り、設定もチラ見させてくれているので比較的読みやすい。文章はとても良い。ちょうどこういう記述のものを読みたかったというのもあるけど、読んだら書きたくなる系の文章でした。時代性を意識することなく読める。
 機会があったら再読して考え直したいところだけど、多分次に読むのは終末SFパロをしたくなったときだろうな。笑
| SF | 23:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
飛浩隆『象られた力』  ★★★★☆
 惑星“百合洋”が謎の消失を遂げてから1年、近傍の惑星“シジック”のイコノグラファー、クドウ円は、百合洋の言語体系に秘められた“見えない図形”の解明を依頼される。だがそれは、世界認識を介した恐るべき災厄の先触れにすぎなかった…異星社会を舞台に“かたち”と“ちから”の相克を描いた表題作、双子の天才ピアニストをめぐる生と死の二重奏の物語「デュオ」ほか、初期中篇の完全改稿版全4篇を収めた傑作集。(Amazon)

 これね、表題作がすごかった! すごかったとしか言えない自分が歯がゆいがすごかったw 最初の「デュオ」がピアノ好きなこともあり面白かったので、中二つはそれなりに面白いけどデュオには及ばないなーと思ってたら、最後に来たね! 小説ってすごいね! 扁桃腺のくだりでは酔った。この肉体はいつ壊れてもおかしくねえなあ、来年もちゃんと生きてるのかなあ私、と思った(笑)いやあ面白かったです。あんま深いこと考えず、描写に飲み込まれるまま一気に読んでしまった。小説って面白いなあ! 小説っていいなあ! 表題作は★五つ。
「デュオ」、ピアノの発表会の夜に読むという大変タイムリーなタイミングw 面白かった。私はSFというよりホラーかなと思ったが、誰かがSFといえばそれはSFなのだし、ホラーもしかりだし、カテゴリわけには大した意味はない。飛さんはあの長編が完結したら読もうとしてたけど、短編集もいいらしいので手を出してみている。ミステリを読んできた割に疑うことをしない読者であるため(笑)、最後のひねりは素直に驚けました。「かれら」のピアノ、ぜひ聴いてみたいもんだ。ホロヴィッツの調律についての小ネタも面白かったな! 音の高低で性質を変えてたんだ!
 収められた四つの短編全て人を描きつつも人でないものが主役みたいな話で、表題作は形と力がそれなんだけど、エンブレムやタトゥーや紋様といった非常に視覚的なものを、文章でもって強力に表現してるんだよな。読書量が少ないながらも、滅多にない体験だったなー。
| SF | 22:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
ダグラス・アダムズ『銀河ヒッチハイクガイド』  ★★★★★
 銀河バイパス建設のため、ある日突然、地球が消滅。どこをとっても平凡な英国人アーサー・デントは、最後の生き残りとなる。アーサーは、たまたま地球に居た宇宙人フォードと、宇宙でヒッチハイクをするハメに。必要なのは、タオルと“ガイド”―。シュールでブラック、途方もなくばかばかしいSFコメディ大傑作。(Amazon)

 SFの古典だし、マーティン・フリーマンが映画主演したので読むしかないということでようやく手を出しました。これは素晴らしいユーモアSFwww 先に映画見ちゃったから内容は大体分かってたんだけどやはり可笑しいなw
 本筋に関係のない枝葉の部分がとにかく可笑しいです。おいおいブラックすぎねーかと思わずでもなかったりしますがブリティッシュジョーク。「銀河ヒッチハイクガイド」自体も読んでみたいもんだよ。本書になかったけど映画にあったエピソードは続編から来てんのかな。続き読まないと何とも判断できないね。映画は映画だけを見ると「原作読まねば感」があるものの、読んだ後に考えてみれば、うまいこと作ってあるんだな(笑)非本筋のアニメーションもかわいかったし。原作のままだと映画のような救済はなされなかったんだが……いいのか?w(←ダグラス・アダムズ本人が脚本製作に携わり、エピソードを書き下ろしていたと教えていただきました)
 フォードは赤い巻毛だったんだね! 映画フォードは髪の毛なかったよね!笑 これでドラマ版もあるんだから外見のバリエーションは豊かだな。さっさと全巻取り寄せてさくっと読んでしまいたいです。ちなみに映画のマーティン@アーサーは絶妙にウザかったです。
| SF | 22:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
大森望編『ぼくの、マシン』  ★★★★☆
 00年代の日本短編SFの精華、宇宙・未来編。野尻抱介/小川一水/上遠野浩平/田中啓文/菅浩江/上田早夕里/桜庭一樹/飛浩隆/神林長平/円城塔/伊藤計劃+新間大悟の作品を収録。

 この文庫の文字組み好きだな、本文用紙の色合いも。ただし字間を詰めすぎて三点リーダがもったいないことになっている。こっちは二冊組の科学技術要素よりだとか。『逃げゆく物語の話』の方が幻想っぽいのね。私は津原さんの短編目当てで借りたつもりだったけど、逆でしたね……(笑)ガジェットとしては前者の方が断然好きなんだけどね。ファンタジー苦手意識があるから。まあでもあのメンツなら普通にSFでしょう(勝手)。後半三人のスピンオフは多分読まない、分からないの悔しいから。笑
 上田早夕里「魚舟・獣舟」、かなり話題になってたからいずれ読もうと思ってたら収録されてた。これすごいね。話題になるだけあるね。原稿用紙40枚程度、ってことは15000字くらいでしょ。それでこれだよ。すごいね。これぞ短編って感じだ。読み終わって呆然としちゃったよ。ゼロ年代ベストでもいいんじゃないかってくらいw 私は語り手の男性を女性と思い込んで読み始めたので萌えもしました。女性でいいよね。
 上遠野浩平「鉄仮面をめぐる論議」は昔読んでたな。そもそもの編集コンセプト(初出にこだわらず重要作を集める)を知らなかったので、新作短編かしらんと一人で期待してたよw 懐かしいなあ。あの三部作、細かいところは忘れたけど好きだったな。てか上遠野さん大分好きだったよ。作品前についてた大森さんの解説には笑ったw 「何だかわからんがとにかくかっこいい」www そう思ってた口ですがw あの人の文章の繋げ方とか、私も大分影響受けた(反映はされてない)と思うわ。懐かしい。ブギーポップ以外ならまた読みたい(ブギーポップはリンクについてけない)
 桜庭一樹「A」、『接続されたアイドル』って系譜があるんですかい。「接続された女」は読もうと思って読めてないからな。桜庭さんの話に感じる圧倒的な勢いはなかったかな。私は何より『赤朽葉の伝説』が好きです。
 田中啓文「嘔吐する宇宙飛行士」。これね、大森さんの仰るとおりほんとにタイトルそのままの内容なのよwww 宇宙飛行士が宇宙空間で嘔吐する話w これが表題作になってたら別の意味で話題になったろうなあw 「嘔吐する宇宙飛行士っていう文庫がね」「は??」ってなるよなw いやもう面白かったです。何度か声だして噴きました。実は田中さん、あの落語家シリーズ読もうと思って読んでない(そんな本ばっか)のでこれが初読みだったっぽいんだよね……嘔吐話がね……いやいい出会いでした。ピザの描写には思わずピザ嫌いになりそうでした。すごいまずそう!
 ちなみにこの文庫一番の楽しみは大森さんによる解説と、著者によるあとがきですw 野尻さんの解説、ちゃんとミクのことまで書いてあるからね。SFの文脈でどういう読まれ方をしてるのか、あんま知らないので参考になる。伊藤計画と9.11の関連とか。そういう意味で重要なのかって。でも重要であるのを理解するのと好きになるかどうかは別問題だな。笑
| SF | 21:48 | comments(0) | trackbacks(0) |
森見登美彦『四畳半神話大系』  ★★★★
四畳半神話大系
四畳半神話大系
森見 登美彦
 妄想してないで、とっとと恋路を走りやがれ! 私は冴えない大学三回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。できればピカピカの一回生に戻ってやり直したい! 四つの平行世界で繰り広げられる、おかしくもほろ苦い青春ストーリー。(Amazon)

 二章に突入した瞬間これは! と思い、四章ではSFだったんだ! と刮目したw 面白かったです。話としての面白さというか、文章自体とその可笑しみがすごく好きだったな。
 諧謔小説といって私が念頭においているのはジェロームとウッドハウスだけど、語彙が豊富で比喩が上手、つまり上手くないとどうにもならないじゃないですか、文章だけで笑わせるなんてえらいことをするためには。それが洒脱にできる人ってのはそんな多くないんだと思うわ。なんらかのアクションではなくて、何気ないことを描写している地の文でニヤニヤできるのは読者としても大変幸せです。今度コメディにチャレンジする際の参考・燃料にさせて頂きます。
 作者まだ若いのねーそして理系か。文系理系なんてナンセンスかもしれないが理系か、と思ってしまう。京大付近はうろうろしてきたから何となく想像がついて楽しかった。京大ミス研のぼろぼろの看板、あれ見てきたので仙人いてもおかしくないな、というかw あの川落ちたら骨も折れるわ。
 アニメサイト見てみたら各話ごとにパラレルワールドしてたんだね! 繰り返しの妙とはいえ、アニメであの四章を三話づつにするのはどうかと思ったのでうまいこと変えたなあと。小説の小津の外見描写はおどろおどろしいので、アニメのかわいさにはびっくりだw 羽貫さんかわいい!
 しかし台詞回しもよかったですねえ小津の台詞すごい好きです。他にもユーモア書いてるなら読みたい。もっとユーモア小説が読みたい! アニメから入って小説気になると思ってる人はページ数実質半分くらいなのであの文章味わうために読むのがよろしいでしょう。笑
 文章を読む楽しさを久々に味わいました。
| SF | 23:11 | comments(0) | trackbacks(0) |
クリストファー・プリースト『奇術師』  ★★★★
〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)
〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)
古沢 嘉通
 北イングランドに赴いたジャーナリストのアンドルーは、彼を呼び寄せた女性ケイトから思いがけない話を聞かされる。おたがいの祖先は、それぞれに“瞬間移動”を得意演目としていた、二十世紀初頭の天才奇術師。そして、生涯ライバル関係にあった二人の確執は子孫のアンドルーにまで影響を与えているというのだが……!? 二人の奇術師がのこした手記によって、衝撃の事実が明らかとなる!世界幻想文学大賞受賞の幻想巨篇(Amazon)

 私は書いてあることを深く考えずそのまま信じてしまうしトリック解こうともしない怠惰な読者で、読み終わって「えっ……!?」となったこれも頭から読み返す代わりにググりました。2ちゃんのプリーストスレがヒットした(笑)ぱらぱら二周目したけどわかりにくいよー。
 結局何がどうだったのかが意図的に明言されてないんだもの。何を信じていいのか。ボーデンとエンジャ、両者の視点から語ってくれてると思いきや違うし。あ、もちろん面白かったです! 手記系はあんまり好きじゃないんだけどそこまで気にならなかった。
 これ映画ではどうやって見せたんだろう、ボーデンVSエンジャ的な話になったのかな。それだとせっかくの騙された感がなくなっちゃうけど。
 『限りなき夏』は読んだので、あと『双生児』いっとくか。
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| SF | 00:28 | comments(0) | trackbacks(0) |
伊藤計劃『ハーモニー』  ★★★☆
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
伊藤 計劃
 「一緒に死のう、この世界に抵抗するために」―御冷ミァハは言い、みっつの白い錠剤を差し出した。21世紀後半、「大災禍」と呼ばれる世界的な混乱を経て、人類は医療経済を核にした福祉厚生社会を実現していた。誰もが互いのことを気遣い、親密に“しなければならない”ユートピア。体内を常時監視する医療分子により病気はほぼ消滅し、人々は健康を第一とする価値観による社会を形成したのだ。そんな優しさと倫理が真綿で首を絞めるような世界に抵抗するため、3人の少女は餓死することを選択した―。それから13年後、医療社会に襲いかかった未曾有の危機に、かつて自殺を試みて死ねなかった少女、現在は世界保健機構の生命監察機関に所属する霧慧トァンは、あのときの自殺の試みで唯ひとり死んだはずの友人の影を見る。これは“人類”の最終局面に立ち会ったふたりの女性の物語―。『虐殺器官』の著者が描く、ユートピアの臨界点。(Amazon)

 面白かった! こっちの方が『虐殺器官』より好きだな。世界設定は繋がっていて、ラストに起こった大災禍以降の話。表紙が素敵だよね。虐殺〜同様ラノベ層にアピールでもしてるのかしら? ガッツリSFしてるはずなのにそんな感じがしないのは作品全体に漂う諦念のせいだろうか。この諦め切った感じ、うまくいえないけど、私は主にラノベから受け取ってきたというか……自分が山本・小川あたりが好きだからでもあるけど……何だろうな。円城さんとか読めば国内SFの見方変わるかな。飛さんとか。飛さんはお薦めされたから読むつもりでいる。
 これは一段組なんだね。タグの使い方や台詞の処理など、一段組として書かれた文章というのが分かる。今まで日本の小説ってアルファベット馴染まないから不便だよなーと思っていたけどこうして使う分には異質さが浮き上がるからいいね。英文でやってもここまでならない。htmlに多少なりとも親しんでることもあってタグ記述は面白かったなあ。疑問符をリーダーで代替させてるのは作者のこだわりなんだろうけどどうしても気に食わないよ!笑 「?」に変換したい! 文中にところどころSF愛が見え隠れしててニヤニヤした。意識と監視の問題については本書のラストくらいにしないと世界平和にならないかもねえと思ったり思わなかったり。
 もっと色々読んでみたかったです。ご冥福をお祈りします。
| SF | 00:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
山本弘『MM9』  ★★★
MM9
MM9
山本 弘
 地震、台風などと同じく自然災害の一種として“怪獣災害”が存在する現代。有数の怪獣大国である日本では、怪獣対策のスペシャリスト集団「気象庁特異生物対策部」、略して「気特対」が日夜を問わず日本の防衛に駆け回っていた。多種多様な怪獣たちの出現予測に正体の特定、そして自衛隊と連携するべく直接現場で作戦行動を執る。世論の非難を浴びることも度々で、誰かがやらなければならないこととはいえ、苛酷で割に合わない任務だ。それぞれの職能を活かして、相次ぐ難局に立ち向かう気特対部員たちの活躍を描く、本格SF+怪獣小説。(Amazon)

 人間原理を怪獣と組み合わせるなんてっ……さすがと学会の山本弘だぜ……! 一見トンデモな怪獣というネタをうまいことSFに落とし込んでいる、というか怪獣というネタだけ取り出したときこれはSFになるの? よく分からないぜ。ジャンルに拘泥する必要はないけど。
 MMとはモンスター・マグニチュードの略。怪獣VS(とは限らないけど)気特対な連作短編、面白かったです。勢いがあって。怪獣を実在のものとしているから話は神話や伝説にも繋がってくる。ジェインズ『神々の沈黙』ネタが出てきたりもしてね。私これ、結局読破してないんだけれど(笑)
 ちなみに本書は2009年SFが読みたい!の国内第二位。読み始めたときはこんな口当たりの軽い本が二位かあ、と思っていたものの、段々と、こういう本が二位に来れるのって素敵だなあ、に変わっていました。いや、ちゃんと面白かったよ! ネタの繋げ方がうまいよ! そして熱い。ザ正統派。
| SF | 00:34 | comments(0) | trackbacks(0) |
伊藤計劃『虐殺器官』  ★★★
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
伊藤 計劃
 9・11以降、激化の一途をたどる“テロとの戦い”は、サラエボが手製の核爆弾によって消滅した日を境に転機を迎えた。先進資本主義諸国は個人情報認証による厳格な管理体制を構築、社会からテロを一掃するが、いっぽう後進諸国では内戦や民族虐殺が凄まじい勢いで増加していた。その背後でつねに囁かれる謎の米国人ジョン・ポールの存在。アメリカ情報軍・特殊検索群i分遣隊のクラヴィス・シェパード大尉は、チェコ、インド、アフリカの地に、その影を追うが…。はたしてジョン・ポールの目的とは?そして大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは?―小松左京賞最終候補の近未来軍事諜報SF。(Amazon)

 虐殺器官とは? という問いには早いうちから答えをくれていたので、最後は何で驚かせるつもりかなあ(ミステリ脳)と思っていたら素敵なエピローグでした! そうこなくっちゃ! エピローグ以前までは面白く読んでたけどこれで終わったら残念、と思っていたので安心した。こういうオチが欲しかったんだ。
 全体的に何となくラノベっぽい感じがあるのはデビュー作であり作者が若かったからかな。人類学にしろ言語学にしろ、もうちょっと個々の要素の描写・説明を詳しく入れてほしかった。色々盛り込んでいる分薄味になってしまっているような。言語というとイーガン『TAP』とかあるしさあ。戦争描写もこないだ『本当の戦争の話をしよう』を読んだばかりだったので……まあ、あれと比べちゃいけないけどw
 日本人の書く欧米舞台の小説の文章に違和感があるってのは、翻訳家の問題かもしれないと思いました。同じ内容を英訳して、大森さんや山岸さんあたりに翻訳しなおしてもらえば、違和感は消えてしまうのではないか……という気がするw 多分中身じゃないんだよな。文体と文章構造なんだよな。中身にうそ臭さを感じられるほど私は欧米の生活を知らないからな。
 しかし「ゼロ年代SFベスト」国内篇第一位ってのはちょっと過大評価なんじゃないかしら? 私の好みかなあ。期待した分拍子抜けだった。
 遺作となってしまったハーモニーと短編も読みます。この若さで死んじゃったのは本当にもったいないよなあ。小道具としてはやはり肉が……肉のインパクトが……これ映像化したらちょっと気持ち悪いよねw 捕鯨/海豚問題なんて目じゃないよね。このアイディア米作家にやってほしかったわw
 あ、台詞内の三点リーダは全部省いていいと思う。笑
| SF | 00:41 | comments(0) | trackbacks(0) |