Calendar
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< August 2019 >>
Blog&Myself
Selected Entries
Categories
Recent Comments
  • 三浦しをん『舟を編む』  ★★
    藍色 (10/06)
  • 松浦理英子『裏ヴァージョン』  ★★★★★
    マリ (06/13)
  • 松浦理英子『裏ヴァージョン』  ★★★★★
    マリ姉 (04/30)
  • ポール・オースター『幽霊たち』  ★★★★
    マリ (01/21)
  • ポール・オースター『幽霊たち』  ★★★★
    渋谷の帝王 (11/04)
  • ジェイ・イングラム『そうだったのか! 見慣れたものに隠された科学』  ★★★★
    マリ (10/27)
  • ジェイ・イングラム『そうだったのか! 見慣れたものに隠された科学』  ★★★★
    Skywriter (09/12)
  • 東川篤哉『密室に向かって撃て!』  ★★★
    hirose (11/17)
  • 金森修『サイエンス・ウォーズ』  ★★★★
    マリ (06/19)
  • 金森修『サイエンス・ウォーズ』  ★★★★
    Skywriter (02/06)
Archieves
Links
Others

Memoria de los libros preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります
星の数は気分なのであてになりません
米村圭伍『風流冷飯伝』  ★★★
風流冷飯伝
風流冷飯伝
米村 圭伍
「将棋は最初にすべての駒を盤に並べます。盤面にある駒を動かすのを指すと申します。囲碁は始めは盤に石が置いてございません。交互に黒石と白石を置きますが、これを打ちおろすという意味で打つと称します」

 へえ! ヒカルの碁を読み返してたけど、知らなかったわ(笑)将棋も指せず、囲碁も打てずの私ですが。
 四国は讃岐の吹けば飛ぶよな風見藩が、この法螺噺の舞台です。ご案内役は、お江戸で鳴らした幇間(たいこもち)・一八。相方を務めますは、お武家の次男・数馬、俗に申します冷飯ぐい。でも、この男、暇のつぶし方が、なんだか飄々としております。藩のしきたりも、すこぶる妙です。そんな冷飯ぐいどもが、何の因果か、藩の命運を背負うことになったから、さあ大変――。(裏表紙)
 よくネット上で感想を見かけるのでシリーズを順番に読んでみよう、と借りてきた。表紙は『しゃばけ』の人と同じだ。地の文がですます調で語り口調の本なんて久しぶりに読んだ。児童文学はそういうの多いけど、大人向けになるとめっきり姿をあらわさない。
 本書は時代小説ながら堅苦しさは欠片もなく、ラノベ感覚(褒めている)ですらすら読める。江戸時代は性生活が今よりオープンだったのもあり(?)、よく性描写が出てくるんだけどこれが下品ではない。格闘技みたいで面白い。やってることはセックスなのに、あっけらかんとしている。そういえば春画ってモロ描いちゃってるよね。
 江戸から来た一八が風見藩の人たちを平和ボケしすぎだ、と評しているように終始ほのぼのと物語は進む。数馬と藩内をうろうろして何人かの冷飯に出会いながら、いつのまにか藩の存続に関わることになり、というか一八もただの幇間ではなくて……。それでもやっぱり平和だ。
 めでたしめでたし、と締めくくりたくなる本でした。様々なことに遊びを見つけて楽しく過ごしている風見藩の人たちを見習わないとね。
 ちなみに辞書で幇間は:宴席に出て客の遊びに興を添えることを職業とする男性、だそうで。知らなかった。そんな愉快な職業があったのか。
続きを読む >>
| 歴史・時代小説 | 14:36 | comments(0) | trackbacks(0) |
あさのあつこ『弥勒の月』  ★★☆
弥勒の月
弥勒の月
あさのあつこ
 痛みにも、苦痛に耐えることにも、脆くなった。自らの肉を斬らせて相手の骨を断つことにも、心を僅かも乱さず止めを刺すことにも、瞬時の隙をついて急所を抉ることにも、脆くなった。もう、できまい。人というものと結びついた時、人はここまで脆くなる。
 何をどうしたものだか、『透明な旅路と』の続編だと勘違いしていた。続編が出るって話を聞いていたからだけど、それにしてもアホすぎる。開けてびっくり時代小説でした。あさのさん初だね。ヤングアダルトのみに留まらず、手を広げているのはいい傾向だと思います。しかし、私はやっぱり少年が好き。本書は12〜18の少年が好きだと公言するあさのあつことしては珍しく、少年が出てこない。まさか、そんなことが有り得るのか……? と思ってたら有り得ました。彼女の児童書は未読だから、下手なことは言えないが。
 小間物問屋「遠野屋」の若おかみ・おりんの溺死体が見つかった。安寧の世に満たされず、心に虚空を抱える若き同心・信次郎は、妻の亡骸を前にした遠野屋主人・清之介の立ち振る舞いに違和感を覚える。――この男はただの商人ではない。闇の道を惑いながら歩く男たちの葛藤が炙り出す真実とは。(Amazon)
 岡っ引きの伊佐治と同心の信次郎が殺人事件の真相を探り出そうとするが、手ごわい中ボス遠野屋、そしてラスボスのあの人はおかしなことに、ってな話です。ごめんなさい嘘です。もっと深いはずです。
 私は時代小説があまり得意ではないのに加え、最近では困ったことにややこしい言葉を無意識にすっとばして読む悪癖がついてしまったので、あまり理解できていない。「心の闇」とかいうものを題材にしているんだろう。いやこんな軽くいっちゃいけねえよ……すみません。
 艶っぽく狂気を孕んだ信次郎が好きです、ええ。大人の色気を出すことには成功しているのではないでしょうか。表紙の写真は綺麗だなあ。
| 歴史・時代小説 | 23:53 | comments(2) | trackbacks(1) |
古川日出男『ベルカ、吠えないのか?』  ★★★
ベルカ、吠えないのか?
ベルカ、吠えないのか?
古川 日出男
 二十世紀は二つの大戦が行われた世紀だった。いわば戦争の世紀だった。しかし、同時に、二十世紀は軍用犬の世紀でもあったのだ。

 オレハ犯ス、とお前は吠えた。
 オレハ孕マセル、と犬神よ、お前は吠えた。
 生キルタメニ!

 イヌよ、イヌよ、お前たちはどこにいる?

 うぉん。
 そのひと言で感想を終わらせても良いのではないか? と思わずにはいられない、直木賞候補にもなった本書。初・古川日出男。これが直木賞ってすげーな。これを歴史小説にカテゴリ分けする私もどうかと。
 本の雑誌の高評価、好きな読書ブログさんの好き作家ということでチャレンジしたんだけどさ。ふー。達成感はあるな。『アラビアの夜の種族』『サウンドトラック』『沈黙』『アビシニアン』は読んでみたいんだが、どうも重いようなので比較的軽いと言われている『gift』でも探してみようか。……今度ね。京極並みにスパンが必要。
 うぉん。私に言えることは何もありません。あらすじ放棄。
 1943年・アリューシャン列島。アッツ島の守備隊が全滅した日本軍は、キスカ島からの全軍撤退を敢行。島には「北」「正勇」「勝」「エクスプロージョン」の4頭の軍用犬だけが残された。そしてそれはイヌによる新しい歴史の始まりだった――。(文芸春秋)
 第二次大戦からソ連崩壊まで、犬とともに歩む歴史。日本人ヤクザの娘の犬としての生き様。目次を見れば一目瞭然だが、二つの物語が交互に語られる(「」付きのが後者)。視点は神で、たまに犬も交じる。読みにくいぞ。
 しかしこの読みにくさ、視点のせいだけじゃない。内容が内容で(現代史を勉強してなかったことを悔やんだ)、300ページ強のくせに重いったら。ぽこぽこ増えていく犬の系譜が欲しい。マジで。途中であっさり諦めた。そうだ、世界地図もつけてくれ。出てきた地名に註をつけてさ。
 あとはものすごいエネルギー。これがあったからこそ読み通せたのだが、疲れたぞ。春樹チルドレンらしいがよくわからない。伊坂や本多のような春樹っぽいチルドレンしかわからない。
 面白かったのか? と尋ねられたらどう答えるべきか。「ベルカ、吠えないのか?」と言ってやればいいのかな。とりあえず吠えとけちくしょー。うぉん。
| 歴史・時代小説 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(6) |
浅田次郎『蒼穹の昴〈下〉』  ★★★★★
蒼穹の昴〈下〉
蒼穹の昴〈下〉
浅田 次郎
 素晴らしい物語。登場人物全員が良い意味でも悪い意味でも輝いていた。やっぱり文庫じゃなくて単行本で読む方が断然好きだ。
 どうにもならない時だってどうにかしなきゃいけない。自分の手で去勢してでも人生を切り拓いていった春児を見習って、小さなことで凹んでいるのはやめたいと思う。
| 歴史・時代小説 | 20:16 | comments(0) | trackbacks(1) |
浅田次郎『蒼穹の昴〈上〉』  ★★★★★
蒼穹の昴〈上〉
蒼穹の昴〈上〉
浅田 次郎
 文句なしに傑作だと思う。真面目な歴史物と思いきや、プリズンホテルなどに通じるユーモアも織り交ぜられていて、最高。
 時は清王朝。糞拾いで生計を立てる貧民の子、李春雲は、百発百中の占星術師、白太太に「あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう」という予言を受ける。彼は、進士の試験に及第すると予言された梁家の落ちこぼれの文秀を兄貴分と慕っていた。文秀は回りの期待を裏切り、全ての試験を突破し上り詰める。
 宦官となった春児は、後宮へ仕える機会を待ちながら、鍛錬の日々。西大后を政治から排し、光緒帝の親政のもとに新たな時代を築こうとする文秀。二人は順調に出世し、本の中では十年の歳月を経る。愚帝が続いたため政治は西太后にまかせっきりみたいになっていた清国に投げかけられる波紋。
 実は以前文庫で3巻まで読んだのよ。でも、文句なしに面白かったのにのめりこめなくて、4巻の途中で止まってた。多分字が大きすぎて読むのが大変だったからだと思う。そんなにデリケートな生き物じゃないんだけど。読みきってしまおうとハードカバーを上下巻借りてきましたよ。やっぱり二段組で、この字の大きさの方が進むなあ! 二日で読了。あ、もう一つ気になったのは、文庫だと中国語読みな名前が単行本だと日本語読みになってる事。昔は「日本語読みしたくなる」って言ってたくせに、今は「ウェンシウ」「シュンコイ」「ワンイー」などなど、中国読みが頭に浮かんでくるから不思議。そんなこんなであらすじは前書いたものでした。
 とてつもない大作だよね。あの時代に入り込んでしまえるくらいに描写は丁寧で分かりやすく、登場人物は一人一人立ちすぎる程に立ってる。全てが魅力的。あんな科挙を乗り越えるなんて、どんな天才だよ……そして乾隆帝のIQは幾許だったのか。
 読んで損はない。普通に泣く。
| 歴史・時代小説 | 23:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
五十嵐貴久『安政五年の大脱走』  ★★★
安政五年の大脱走
安政五年の大脱走
五十嵐 貴久
「皆の言う通りよ」
 腕を解いた鮫嶋が履き捨てるようにそう言った。
「済まぬ」
 頭を垂れた敬吾の口からつぶやきが漏れた。野呂老人が話を引き取った。
「済まぬでは済まされませぬぞ」声を張り上げる。「さあ桜庭様、この始末どうやっておつけなされるおつもりか」

 『リカ』以来だなあ、彼の本読むの。『リカ』はデビュー作で、めちゃめちゃ怖かった覚えがあります。今思い出しても怖い。私の恐怖のツボをぐいぐい刺激してくれた。あー忘れたい(笑)
 井伊直弼のはかりごとにより、51人の津和野藩士と姫・美雪が脱出不可能な山頂に幽閉された。直弼の要求は美雪の「心」。男たちは誇りをかけて立ち上がる。命に換えても守らねばならないもの、それは――。(Amazon)一章 井伊直弼の恋、二章 桜庭敬吾の岳、三章 堀江竹人の土、四章 亀井美雪の空、五章 犬塚外記の忠、その後のこと、で成り立っている。これを写しておけば絶対内容忘れない。
 映画『大脱走』を思い出すなあ、と言いたいところだけど私は見たことがないのでした。なので『ロミオとロミオは永遠に』を思い出した。人が逃げる時に考える方法は大抵同じなのかもしれないね。どうにかして逃げるしかないんだから。
 日本史を室町時代までしかろくに勉強していない私は、井伊直弼と桜田門外の変を結びつけはしたものの、殺した方か殺された方か知りませんでした。……知らなくても、生きてはいけるみたい。教養が薄い上に記憶力が悪いので時代物はあまり得意ではないし、どこまでが実在の人物だかさっぱりわからないけれど、キャラクターを掴むには充分な情報があって楽しめた。大分砕けた口調だったしね。こういうの沢山読めば、歴史が得意になるのかな。
 姫を想い一致団結する彼らがかっこいい。厳しいヒエラルキーの世界、上の者に命を賭けて忠義を尽くす、そんな生き方が出来るんだねえ。私には出来ない……だからこそ感動して泣くのか。
 桜庭と鮫嶋、犬塚と主膳が好きだなあ。桜庭敬吾は是非、堺雅人に演じて頂きたいなあ! 絶えず笑みを絶やさないそのお姿。鮫嶋との対立が、土方さん(体格違うだろうが)を彷彿とさせる。新撰組(ジャンプ辞書の所為で真選組って出るんですけど)番外編やるみたいですね。関係ないよ。
 ラストがまた素敵。
続きを読む >>
| 歴史・時代小説 | 23:35 | comments(0) | trackbacks(1) |