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  • 金森修『サイエンス・ウォーズ』  ★★★★
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Memoria de los libros preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります
星の数は気分なのであてになりません
山田悠介『Aコース』  ☆
Aコース
Aコース
山田 悠介
「ああ!」
「ちょ、ちょっと!」
 止めたのは憲希だった。ピンクのパジャマを着た髪の長い女性が、窓から飛び降りようとしているのだ。
「もう訳がわからん」
「何してるんですか!」

「こんなにお前に手こずるとはな……さすがだぜ」
 頭を壁に張りつかせていた賢治の耳に、そう聞こえてきた。

 びっくりした。訳が分からんのはこっちだ。
 『リアル鬼ごっこ』で一世を風靡した(色んな意味で)彼ですが。いやあすげえや。合宿に友達が持ってきてて、クソだから燃やすと意気込んでいたので燃やす前に読ませろ! と奪ったものの……ああああ。燃やして、よかったんじゃないかな? 通学途中の電車内、30分かけてしまった自分が馬鹿みたい。プリズンホテルにすればよかった。その上山田スレを見つけて読破してしまった自分、馬鹿みたい。
 賢治たち高校生五人が挑んだ、ゲーセンの新アトラクション「バーチャワールド」。メニューの中から「Aコース」を選ぶと、次の瞬間、彼らは炎に包まれた病院にいた。襲いくる敵を退け、ここから脱出するのだ。しかし設定にはない女性の自殺現場を目撃して以降、連続する不可解な事件。本当にこれはゲームなのか?(裏表紙)
 どこにでもありそうな設定ですが、結末がないです。それはねえだろ! このあおりで、それは……。誰視点かが定まらない文章は読みにくいもののリア鬼と比べれば……(読んだことないけどスレで挙げられていたので)。てゆうか表現が分かりにくいよね。感情移入なんて無理だし。登場人物少ないから、誰が誰かは把握できましたけど。
 これを読んだ方がいたら是非いっしょにこきおろしたいね(笑)続刊で『Fコース』なるものも出てますよ。いい加減にしてくれ。
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| 怪奇幻想 | 21:33 | comments(2) | trackbacks(1) |
綾辻行人『最後の記憶』  ★☆
最後の記憶
最後の記憶
綾辻 行人
 ――あれはヒトの血の色。
 ……ああ、母さん。あいつが来る。こんなところにまで、僕を追いかけて。
 ――あれはヒトの血の
 母さん、あいつが来るよ。あなたの記憶の中から溢れ出した“恐怖”が、もうすぐここに。今度はきっと、この僕の身体を切り刻むために。

 ひと言でいうとぐだぐだ。主人公がまたも(夏と冬〜に続いて)暗い。同じ事を何度も言ってる。でも、館シリーズでしか綾辻を知らない私が言うことだけれど、キャラクターが記号ではなかった。きちんと立ってました。しかし暗い。自分が彼のような目にあったらきっとぐだぐだ悩むのだろうけど、もう分かったから、と思うほかない。バッタはもういいから……(笑)!
 母が初老期痴呆と診断された僕・波多野森吾は、それが遺伝性で自分もそのうち惚けるのではないかと心配でたまらない。大学の同級生だった唯に背を押され、僕は母の生い立ちを探ることに。幼い頃に酷い目に遭ったらしく、バッタの飛ぶ音と雷鳴を極端に怖がっていた母の――。
 ミステリじゃなくてホラーだった。後書きで、「ホラーだから未解決な部分もあっていい」みたいなことを言っていたが、充分解決されているのではないか。夏と冬〜に比べれば、さあ!(ひきずるなあ)
 くどかったので評価は低め。今度はもっとあっけらかんとした小説を読みたい。しかし『柔らかい頬』を手に……桐野夏生がドロドロしてないわけない。最近沈みがちなのはそんな本ばっかり読んでたからか。そうか。
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| 怪奇幻想 | 13:08 | comments(0) | trackbacks(0) |
瀬名秀明『パラサイト・イヴ』  ★★★☆
パラサイト・イヴ
パラサイト・イヴ
瀬名 秀明
 もうすぐだ。彼女は全身を震わせ、利明の声を、表情を、体温を思い浮かべた。
 利明のような男が現れるのを待っていた。利明こそ、本当の彼女を理解してくれる男だった。絶対に逃すわけにはいかない。
 利明とひとつになるのだ。

 借りた動機は、京極夏彦『どすこい(仮)』。その中の「パラサイト・デブ」という短編のためだけに読んだ。ゲーム化や映画化もされたみたいで(何も知らなかったけど)、随分有名みたいね。第2回日本ホラー小説大賞大賞受賞作だし。
 永島利明は大学の薬学部に勤務する気鋭の生化学者で、ミトコンドリアの研究で実績をあげていた。ある日、その妻の聖美が、不可解な交通事故をおこし脳死してしまう。聖美は腎バンクに登録していたため、腎不全患者の中から適合者が検索され、安斉麻理子という14歳の少女が選び出される。利明は聖美の突然の死を受け入れることができず、腎の摘出の時に聖美の肝細胞を採取し、培養することを思いつく。しかし、"Eve 1"と名づけられたその細胞は、しだいに特異な性質を露わにしていった……。(Amazon)
 私は生物が大好きでして、理系に進みたくとも数学の出来が悪かったために諦めた人なので、この手の話は大好きだ。ミトコンドリアや遺伝子についての専門的な記述も正確に理解できたわけじゃないのだが、表面を撫でる程度でも充分に楽しかった。植物と動物が枝分かれして進化していくところとか……ぞくぞくする。
 ストーリー展開としてはとても解りやすく、感情移入できる人物(浅倉)もいたので、想像以上に面白かった。一気に読めるし。幽霊的な怖さではないので読書後に入るお風呂でビビることもなかった(笑)。駄目なんだよな、霊的なものは……排水溝から出てきそうだ、とは思ったけど。
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| 怪奇幻想 | 21:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
畠中惠『ぬしさまへ』  ★★★
ぬしさまへ
ぬしさまへ
畠中 恵
 ため息も人がいないところで、こっそりと遠慮がちにつく。ただ妖たちにだけは、時々心掛かりをこぼすことがあった。
(それなのに、頼りの妖たちが突然いなくなったら、私はどうなるのかね)
 小さい頃からいつも変わらず一緒だったのに。


 『しゃばけ』に続く、シリーズ第二段。長崎屋の若だんな・一太郎の祖母は大妖で、その血が混じっている若だんなにも妖が見える。彼が五つの時、祖母が守りに寄越してくれた二人の妖・佐助と仁吉をはじめとする色々な妖たちや、砂糖菓子のように甘い二親、和菓子屋なのに餡を作るのが下手な栄吉などなど、おなじみのメンバーが登場する。
 ぬしさまへ:近所で火事が発生した間に、若い娘が堀で死んでいた。彼女は、仁吉に恋文を渡していた。
 栄吉の菓子:栄吉の作った饅頭を食べたご隠居・九兵衛が死んだという。若だんなが真相解明のため調べていくと、九兵衛の財産を狙っていた輩が浮かび上がる。
 空のビードロ:若だんなの兄・松之助は桶屋に奉公していた。奉公先の娘・おりんはどうしてだか、妙に松之助に優しい。
 四布の布団:最近買ったばかりの布団から泣き声が聞こえる。しかも、五布と頼んだのに四布だった。布団屋に抗議するという父と手代に若だんながついていくと、部屋で通い番頭が殺されていた。
 仁吉の思い人:寝込んでいる若だんなに薬を飲ませようと、仁吉は失恋話を始めることに。時は遥か彼方、千年も遡る。
 虹を見し事:いつも傍にいる妖たちの姿は見えず、鬱陶しいほど若だんなを甘やかし見張っている二人の手代の様子はおかしい。誰かの夢の中に入ってしまったのだろうかと考え、一人ずつ検証していくのだが……。
 前作より、面白くなっていた。若だんなと一太郎が混在しているのも最初の方だけだったような(確かではないが)? 文章もわかりやすくなったし、私好みの短編集というのもあり、結構楽しめた。『しゃばけ』は話を引き伸ばしていた感があったからなあ。
 ファンタジーとミステリのどちらにカテゴライズするか迷ったが、ファンタジーが少ないのでこっちに。『ねこのばば』も読んだらこっちにする予定。この調子で進むのなら、次も読むぞ。
 相変わらずカバーの絵がかわいい。屏風のぞきが仁吉だと思い込んでいたけど。ネットでファンイラストを見てやっと気付いたぜ。屏風のぞき、なかなか男前じゃないの。手代へ反抗する様子を見てると、もっと子供っぽいのかと。まあ私は仁吉大好きだけど! 恋文もらいまくりなのに千年かけて失恋、そのヘタレっぷりが愛しい。佐助は兄に欲しいな。寧ろセットで。
 一太郎、十七歳なんだよね。私より若いんだ。『しゃばけ』を読了した時は同い年だったのに……涙が。これからも病弱ながら皆のアイドルとして、頑張ってほしいと思います。
| 怪奇幻想 | 22:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
伊島りすと『ジュリエット』  ★☆
ジュリエット
ジュリエット
伊島 りすと

 血のようだった。
 貝の血だった。
 それが地面に向かってぽとぽとと滴り落ちている。
 健次はその姿をじっと見つめた。
 濡れた糸に向かってカミソリの刃を近付けようとしたとき、また風が吹いてきた。
 揺れる、と思った瞬間、すっと落下した。

 いつだったか、装丁の綺麗な写真に惹かれて彼女の『飛行少女』を読んだ。刊行されてすぐだった気がする。内容は広島の原爆が絡むSFホラーだったが、結末はどうだったのか全く覚えていない。割と面白かったのだが。やはり記録をつけるのは大事だなと思う。自分であらすじを書くとなると、嫌でも読み直さなくてはいけないから。まあ、大抵はアマゾンのレビューをパクるんだけど。
 小泉健次は娘ルカ・息子洋一を連れて、孤島へと引っ越した。バブル時代の遺物である大きなレジャー施設管理の仕事を得たためだ。三人は「見るとのりうつられる」と言われる貝の魂抜けを見てしまってから、不気味な現象に悩まされることになる。押し寄せる虫の大群、浴室にあらわれた幽霊、どこからか入り込んだ死んだはずの子犬や友達そして妻……。
 全体的に稚拙で読みにくい? と思ったのは気のせいではなく、これは伊島りすとの処女作だった。ホラー大賞を受賞し、デビューしている。ネットでの評判も良くはない。
 とはいえ面白くないわけではないのだ。私が怖がりなだけかもしれないが、魂抜けの部分はぞくぞくしたし、幽霊とか無理だった。お風呂に入りたくなくなるからやめてほしい。あと、ルカの自傷癖をはじめとしたそういう描写は真面目に気分が悪くなってしまった。実際本を閉じた。自分も直接味わえそうなもの(特にリスカ等)は生理的に受け付けない。ただ殺されたり死んだりするだけ、もしくは脳みそとか眼球とかさらにグロテスクなものなら大丈夫なんだけれど。
 最終的に何が言いたかったのか、いまいちはっきりしない作品だったなあ。家族の大切さではないし、ルカの初恋でもなさそうだし、生と死についてそこまで深く掘り下げているわけでもないし……。リストラいじめ自傷虐待など、現代的な問題を多く取り扱っているけど、別に……。ここらへんが低評価の原因か。
 私が読んだのはハードカバーだが、文庫化されるにあたってかなり書き直されているらしい。しかも大分わかりやすくなっている模様。これから読む方は文庫の方がよさそうですね。
| 怪奇幻想 | 22:42 | comments(0) | trackbacks(0) |
畠中惠『しゃばけ』  ★★
しゃばけ
しゃばけ
畠中 恵

「血の臭いがする! 一太郎ぼっちゃん、怪我をしたんですか?」
「もう、ぼっちゃんはよせと言っているのに! いつまでも子どもじゃぁないんだから」
 言い返した若旦那の言葉なぞ聞いてもいない。あっという間に佐助の手が伸びて、赤子のように軽々と抱え上げ、傷の有無を確かめにかかる。
「怪我なぞないわ!」
 思わず声を上げたが、こうなると手代たちは、確認するまで引き下がりはしない。

 こちらもかつくらで特集が組まれていたので。あと表紙の味がある絵に惹かれて。作者は漫画家でありながら、作家を目指して本書でファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞したらしい。丸括弧の使い方が独特で、文章の流れがあまり完成されていないような。たまにわかりにくい。
 長崎屋の若だんな・一太郎は眉目秀麗だが、唯一の欠点はひどく病弱なこと。やっとできた息子に対して甘すぎる両親と、五歳から一太郎の世話を焼く佐助と仁吉の妖コンビが、目の中に入れても痛くない可愛がりっぷりを発揮していて一太郎はちょっと窮屈。そんな彼がそっと家を抜け出したある夜、殺しの現場に行き合わせてしまったからさあ大変。次いで一太郎本人が襲われ、同業者が連続して殺される。別々の下手人たちは皆、ある薬を欲しがっているようだが――。
 江戸を舞台にした、ほのぼのファンタジー。妖怪といえば京極夏彦のシリーズが思い浮かぶけれど、おどろおどろしいわけじゃない。一太郎に褒められたくて頑張ったり、手柄を横取りされて妬んだりと、愛嬌があり微笑ましい妖たちばかり。中でも屏風のぞきが好きだな。
 連続殺人事件が起こるので、ちょっとしたミステリ仕立てにはなっているが、まあファンタジーですから読者が推理できるものではないと思う。のんびりと彼らを見ていればいい。
 シリーズの続き『ぬしさまへ』『ねこのばば』が出ている。どうしよう、読もうか読むまいか。これらは短編集らしいので、軽いだろうけど日記書くのは大変なんだよな……あらすじが。でもやっぱり序章というか、まだ解決してない部分が多いからな……時間ができたら。
| 怪奇幻想 | 00:12 | comments(0) | trackbacks(1) |